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HubSpotとGoogle Formsを組み合わせて診断サービスを作る

作成者: 玉利 裕重|May 7, 2024 8:42:25 AM

いくつかの質問への回答次第で結果が異なる診断サービス。さまざまな用途に使えるので無料特典として有効です。ですが診断サービスを作るためには専用の有料ツールを使うのが一般的です。ここではHubSpotとGoogle Formsを組み合わせて診断サービスを作る方法を紹介します。

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無料診断サービスはコンタクト収集に有効

あなたはWebサイトで「あなたの仕事適性を調べてみよう」とか「あなたの適正年収を知ろう」といった無料診断サービスを見たことはないですか?動物占いなどの性格判断も人気ですよね。

このような無料診断サービスは利用者にとっても自身の適性や適正年収を知ることができる、という特典になりますが、事業者にとっても有益なものです。メールアドレスなどのコンタクト情報だけでなく、質問によっては居住地、年収、志向といった細かいプロフィール情報を得ることができるためです。

ですがWebサイト上で診断サービスを実装できる製品は有料が多く簡単には手が出せません。そこで今回は簡易な診断サービスをHubSpotとGoogle Formsを使って実装する方法を考えてみましょう。Google Formsの弱点である診断結果によって異なる結果を伝える、という点をHubSpotと組み合わせることで解決しています。

Google Formsなら無料でアンケートやテストを作れる

Google Formsは無料で使うことができるフォームツールです。回答を一つだけ選ぶラジオボタンや複数選べるチェックボックス、長文記述など便利な項目があらかじめ準備されていてアンケート収集などに便利です。

Google Formsはテストにも利用できます。例えばラジオボタンで4択の質問を作ります。正解と配点を決めておけば採点も自動で行います。オンライン環境で小テストを行う場合などは大変便利なツールです。

ただしGoogle Formsだけで診断サービスを作ろうとすると難しい部分もあります。順を追って説明していきますね。

Google Formsは回答次第で次の質問を変えることもできる

Google Formsで便利なのがこの条件分岐です。回答次第で次の質問を変えることができるのです。一般的な例を紹介すると...

  • 質問1で「はい」と答えた人だけ具体例を問う質問1-1を表示。質問1-1のあと質問2へ
  • 質問1で「いいえ」と答えた人はそのまま質問2へ

というものです。この条件分岐機能を利用して診断サービスを作れないか考えました。この図はシンプルな一例です。2つのYes/Noで答える質問があり、回答によって全部で4種類の診断結果に分岐します。

実際にはYes/Noの選択だけでなく、4択など複数選択肢で分岐させることもできます。そこそこ複雑な条件分岐も作れますが画面では1列のシーケンスになっているのであまり複雑にすると管理が大変です。

とはいえこれでGoogle Formsを使って簡易なものなら診断サービスを作れそうですね。

Google Formsは分岐できても個別にメールを変更できない

ここで課題になるのが全ての質問に回答(フォーム送信)した後に送信されるサンクスメール(確認メール)です。Google Formsは質問内容の分岐はできるのですがフォーム送信後のサンクスメールは1種類しか作ることができません。

できることなら診断結果#1の人には#1のメールを、診断結果#2の人には#2のメールを...と送信する内容をカスタマイズしたいですよね。これはGAS(Google Apps Script)などでコーディングすれば対応できそうです。

ですがスクリプト言語は一種のプログラミングであり誰もが使いこなすにはハードルがあります(僕も得意ではありません)。そこで別の方法を考えました。

目的は診断結果を届けることでありメール送信ではない

そもそもメールをカスタマイズしたい理由を振り返ってみましょう。カスタマイズされた診断結果をきちんと届けること、ですよね。だとしたらそれはメール以外の方法でもいいのではないか?これが最初に考えたことです。

メール以外で診断結果をきちんと届ける方法はどうすればいいのか?考えた結果フォーム送信前の最終画面に診断内容のサマリーを記載してしまうことを考えました。最終画面にはサマリーだけを表示するようにして、「詳しくはこちらから資料をダウンロード」というリンクを用意することで詳細資料への導線も作ることができます。

この場合、利用者がフォームを送信しないのでは?という懸念があります。フォームを送信しなくとも診断結果を読むことができるのでフォームを送信する動機付けが生まれません。まして「詳しくはこちらから資料をダウンロード」というリンクがあればそちらへ遷移してしまうでしょう。

フォーム送信せずに資料ダウンロードページに遷移するとユーザーのメールアドレスなどの情報を収集することができません。ではどうするか?僕の選んだ解決策は「フォーム送信しなくても(しても)いい」ようにする、というものです。

HubSpotで事前にコンタクト情報を登録してもらうことで解決

そこでHubSpotと連携させることにしました。簡単なフローを下に描きました。こんな流れです。

  1. 広告やCTAで集客導線を作る
    • 広告やCTAなどでHubSpot LPへの導線を作ります。例えばメルマガ登録の特典にしたり、コンサルティングメニューの見込み客リスト獲得などが想定利用シーンです
  2. HubSpotで作ったLPでメールアドレスを入力してもらう
    • HubSpotでLPを作成し、あらかじめメールアドレス(コンタクト)を入力してもらいます。これにより登録者をHubSpotで一元管理できるようになります。
    • HubSpotフォーム送信を受けて自動送信するメール(サンクスメール)にGoogle Formsのリンクをつけて送ります。
  3. Google Formsを使って診断を受ける
    • Google Formsでは「メールアドレスを収集しない」設定とします。これによりGoogleアカウントを持っていない人でも診断サービスを利用できるようになります。また、すでにHubSpotでメールアドレスを入力しているので何回も入力しなくて済むためUXの改善にもつながります。
    • 診断サービスのための質問条件分岐にGoogle Formsを利用します。最終画面で「詳しい情報はこちら」というリンクを置き、診断結果を紹介するLPへ遷移させます。
  4. HubSpotで作った診断結果ごとのLPから資料をダウンロードする
    • 診断結果の数だけLPを作り、診断レポート(PDFファイル)のダウンロードを可能にします。
    • 診断レポートのダウンロードリンクにHubSpotドキュメント機能を利用することでダウンロード履歴などはHubSpot内で管理します。

<簡単なデモ用フォームを作成しました>

HubSpotとGoogle Forms連携の簡単なデモ環境を作りました。下のボタンからサンプルGoogle Formsへ遷移できます。

なお既にHubSpotで作ったLPに登録した前提です。ボタンをクリックしてもメールアドレスの登録は不要です。

  • 上の事例で紹介したシンプルな例(2階層のYes/No質問に答えて4つの診断結果に分岐する)
  • 最終診断結果からのリンクはいずれも共通のページ(弊社サービス紹介ページ)になっていますが各々リンク先を変えることはできます

この組み合わせのメリット

HubSpotとGoogle Formsを組み合わせて簡易な診断サービスを作る場合のメリットを紹介します。

  • 無料で構築できる。HubSpot無料版でも機能制限はあるが同等のことが可能
  • 簡単に実装できる。プログラミングやスクリプトを覚える必要もなくノーコード実装が可能

この組み合わせのデメリット 

HubSpotとGoogle Formsの組み合わせは簡単に実装できますがデメリットもあります。

  • 複雑な診断サービスには向かない。Google Formsで複雑な条件分岐を作ると管理が難しくなります
  • Google Formsの送信ボタンが無駄に表示される。ユーザーによっては送信ボタンに戸惑うかも(送信してもしなくても結果は同じだが)

今回は簡易な診断サービスを作る方法を考えてみました。より複雑な診断サービスや見た目を美しくしたい場合はヨミトルJudgeなどの専用ツールを考えてみましょう。

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