【30秒でわかる本記事のまとめ】
「GWSへの乗り換えを検討しているんですが……」
最近こういう相談が増えてきました。きっかけとして多いのが、WindowsとOfficeのサポート終了です。
Windows 10のサポートが2025年10月に終了し、PCの入れ替えを迫られた。ついでにOfficeも見直そうと思ったら、自分たちが使っているOfficeのバージョンもとっくにサポートが切れていた——という流れです。
OSだけでなく、Officeのバージョンにも気をつける必要があります。まず現状を確認してみてください。
| バージョン | 種別 | サポート終了日 | 現在の状況 |
|---|---|---|---|
| Office 2016 | 買い切り | 2025年10月14日 | ⚠️ 終了済み(セキュリティ更新なし) |
| Office 2019 | 買い切り | 2025年10月14日 | ⚠️ 終了済み(セキュリティ更新なし) |
| Office 2021 | 買い切り | 2026年10月13日 | 🔶 今年終了(要移行検討) |
| Office 2024 | 買い切り | 2029年10月9日 | ✅ サポート対象内 |
| Microsoft 365 | サブスク | 契約継続中は無期限 | ✅ 常に最新(ただしCopilotは別途契約が必要) |
「うちはまだ大丈夫」と思っていたら2019だった、というケースが実は多いです。WordやExcelを開いて「ファイル→アカウント→製品情報」から今すぐ確認してみてください。
セキュリティ更新が止まった状態でOfficeを使い続けるのは、ウイルス感染や情報漏洩のリスクを抱えたまま仕事をすることになります。PCを入れ替えるこのタイミングで「次はどの環境にするか」を選ぶ必要が生まれる——そのときに多くの人が「GWSという選択肢があると聞いたが、WordとExcelが使えないんでしょ?」という疑問を持ちます。
この記事では、その疑問に正直に答えながら、GWSの「Officeとは全然違う顔」をお見せしたいと思います。
まず正直に言います。GWSのDocumentとSpreadsheetは、WordやExcelと完全互換ではありません。複雑なマクロや特殊な書式は崩れることがあります。これは事実です。
ただし、実務上どのくらい問題になるか?
僕の経験では、日常業務の大半は問題なく動きます。議事録・提案書・報告書・集計表——ほとんどのケースで、GWSのツールで十分対応できます。取引先にファイルを送る必要があるときは、PDF書き出しか、Word・Excel形式でダウンロードすればいい。それだけの話です。
問題は、「互換性があるかどうか」ばかりを議論しているうちに、もっと大事なことが見えなくなることです。
❌ やってはいけないパターン:GWSとOfficeをひたすら機能比較して「どっちが上か」を決めようとする
✅ 本当に問いかけるべきこと:「自分の事業の規模と使い方に、どちらが合っているか」
比べるべきは機能の多さではなく、あなたの事業のステージに合った「IT基盤の選び方」です。
GWSとM365を比較するとき、もう一点正確に理解しておきたいことがあります。「M365を使っていればCopilot(MicrosoftのAI)も使える」と思っている方が多いですが、これは誤解です。
M365にCopilotを使おうとすると、Business Basic・Standard・Premiumへの加算契約が別途必要になります。たとえばBusiness StandardにCopilot Businessを追加すると、1人あたり月額約5,000円(税抜)が基本コストになります。10人の会社なら月5万円超の計算です。
一方GWSは、2025年1月16日からBusiness Starter・Business Standard・Business Plusの全プランにGeminiが標準搭載されました。それまで月額2,260円の有料アドオンだったAI機能が、プラン料金に組み込まれる形で追加費用なしで使えるようになっています。
なおプランによって使える機能の範囲に差があり、Docs・Sheets・SlidesなどのアプリでGeminiのサイドパネルをフルに使うにはBusiness Standard以上が必要です。
つまりAIを「最初から使える状態」にするコスト感が、両者で大きく異なります。これはどちらが優れているかという話ではなく、小規模事業者が限られた予算でAIを使い始めるとき、どちらの構造が合っているかという問いです。
GWSにはM365には存在しない機能が標準で組み込まれています。
Gemini(AI)
メール作成・議事録要約・ドキュメント下書きをAIが支援してくれます。標準プランから利用でき、追加でAIツールを契約する必要はありません。
NotebookLM
自社のドキュメントやPDFをまとめて読み込ませ、「社内の情報に詳しいAI」を手軽に作ることができます。マニュアルや議事録を学習させて、社内FAQとして使う、といった活用が現実的です。
Google Vids
スライドとスクリプトを用意すれば、AIがナレーション付きの動画を自動生成してくれます。動画編集スキルは不要です。僕自身、このブログで紹介しているコンテンツの多くをVidsで動画化しています。これはOfficeにはない機能です。
Microsoftの場合、Entra ID(旧Active Directory)やSharePointによる管理は、強力ですが複雑なのがネックです。IT専任者がいれば使いこなせますが、いない場合は逆に負担になります。GWSはブラウザひとつでユーザー追加・削除・セキュリティ設定が完結する設計です。
僕自身ひとり法人でIT担当は自分だけですが、GWSの管理で困ったことはほとんどありません。
前述のとおり、GWSはGeminiが標準プランに含まれています。M365でCopilotを使おうとすると追加契約が必要になるのと対照的です。「まずAIを試してみたい」という段階では、GWSのほうが入り口が低い。
Gemini・NotebookLM・Vidsの3つは、M365の標準プランには含まれていません。「コンテンツを作る」「社内情報をAIに学ばせる」「動画で伝える」——これらを追加費用なしで始められるのはGWSならではです。
GWSをOfficeの代替として選ぼうとしているうちは、正しい評価ができません。比較の軸が「Officeと同じことができるかどうか」になってしまうからです。
GWSを正しく評価するための問いはこうです。
「IT専任者がいない小規模事業者が、AIを活用しながら仕事を進めるための基盤として、これで十分か?」
この問いで考えると、答えは変わってきます。
Office・WindowsのEOLをきっかけにPC環境を見直しているなら、「次もMicrosoftで揃える」という選択肢と並べて、一度GWSを検討してみてください。互換性の問題は実務上ほぼ乗り越えられます。でもGWSに組み込まれたAIと動画生成の価値は、Officeとの比較では見えてこない。
御社のIT環境は今、「Officeとの互換性」で選んでいますか?それとも「AI時代の仕事の仕方」で選んでいますか?
デジヒロ(DX情報広場)では、小規模事業者がデジタルツールを「正しく・無理なく」使いこなすための情報を発信しています。
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