【30秒でわかる本記事のまとめ】
「HubSpotを導入はしたけれど、単なるメルマガ配信ツールで留まり、営業活用が進まない」
従業員20名以下の小規模事業者からよく聞くお話です。HubSpotの画面UI(ユーザーインタフェース)は比較的わかりやすいのですが、機能が豊富すぎて「どこをクリックして何を入力すればいいのか迷ってしまう」というのが本音です。
「コンタクトを追加して…次は会社と紐づけて…商談のフェーズを変えて…」
「うーん、面倒くさい! 後でExcelにまとめておこう(そして永遠に入力されない)」
この「SaaS疲れ」を根本から解決するのが、「LLM(大規模言語モデル)をUIとして使う」という全く新しいアプローチです。
普段、私たちはマウスを使って画面のボタンをクリックする「GUI(グラフィカル・ユーザーインタフェース)」で仕事をしています。
しかし、AIの進化により「CUI(チャット・ユーザーインタフェース)」が広まり始めています。つまり、HubSpotの複雑な画面を覚える必要はなく、高性能なAI(今回は文章理解力に優れた「Claude」を想定します)に「やっておいて」と話しかけるだけで済む世界です。
実際にやってみるとわかりますが、これは結構なパラダイムシフトですよ。
例えば、営業担当者が外出先から、スマートフォンでClaude(または連携したSlack等のチャット)にこう打ち込みます。
営業担当者: 「株式会社デジヒロの鈴木さんと名刺交換した。メアドは suzuki@example.com。今度Webサイトのリニューアルを考えているらしく、予算は50万円くらい。来週の火曜日に再提案するからタスクに入れといて。」
これまでは、帰社後(や外出先)にHubSpotを開き、複数の画面を行き来して入力する必要がありました。 しかし、Claudeを連携させておけば、Claudeがこの自然言語を瞬時に解析し、以下のアクションを提案します。担当者が「承認」を押すだけで、HubSpotに自動登録されます。
現場の社員は「画面のどこに入力するか」を一切意識することなく、ただAIに報告するだけで、完璧なCRMデータがHubSpotに蓄積されていきます。
他にも「今日の営業日報を作成して」とか「打ち合わせ前に〇〇社とのやり取りを整理して教えて」といった日常的な処理にも使えます(ただし、いわゆるハルシネーションというか、勘違いも発生するので100%鵜呑みにしないようにしてください)。
では実際の例を見てみましょう。なお、環境はHubSpot StarterプランとClaude Proプランです。連携にはHubSpot公式コネクターの「HubSpot Connector for Claude」を利用しています。なお、このコネクターを利用するためにはAnthoropicの有料プラン契約が必要です。
今回利用したプロンプトは以下の通りです。
「株式会社デジヒロの鈴木さんと名刺交換した。メアドはsuzuki@example.com。予算は50万円。来週火曜に再提案。」必要なHubSpotアップデートを行って。
必要な処理を細かく確認してくれます。これに対してチャットで「承認します」と入力すれば、コンタクトや会社、取引、タスクなどを自動的に作成してくれます。
こちらがHubSpotの画面です。コンタクトだけでなく会社、取引(金額も)、タスクなどをまとめて作成してくれていることがわかりますね。
CRMは情報蓄積が進むほど価値が高まります。ちょっと感じたメモ、メールやミーティングなどの履歴。これらがHubSpotの中に正規化され、蓄積されるにつれ、AIのコメントも適切なものになっていきます。
CRM定着で一番面倒な「きちんと入力し続ける」ことのハードルがかなり下がったのではないでしょうか?
数あるAIの中で、HubSpotの操作UIとして「Claude」を推奨するのには理由があります。
人間が書くチャットは、「あ、メアド書き忘れた。xxx@...です」のように文脈が前後することがよくあります。Claudeはこうした人間の「揺らぎ」も柔軟に理解し、HubSpotが求める正確なデータ形式に変換(構造化)してAPI経由で流し込む、最強の「通訳」として機能します。
そしてClaudeは「乱雑な日本語のテキストから、必要な情報(JSONデータ等)を正確に抽出する能力」が非常に高いAIです。
通訳した内容(具体的な作業)は公式コネクターを通じてHubSpotで処理されます。下手なワークフローを組むより確実性の高い連携といえるでしょう。
Claudeは文脈を捉える能力が高いAIと言われています。ClaudeはChatGPTなどと異なり、会話履歴全体をコンテキストとして処理しているためです。一方で会話が長くなるほど、毎回履歴を参照するので1回のやりとりで消費されるトークンが増えていきます。
つまり1つのチャットが長くなりすぎると、少ないチャット回数でもすぐに利用制限に引っかりやすくなるのです。そこで1つのチャットは長くせず、定期的に新しいチャットを作ることでトークン消費量を抑えることができます。
「HubSpotの使い方が分からない」という現場の不満に対し、これまでは「マニュアルを読んで操作を覚えてください」と伝えることしかできませんでした。動画を紹介したり、役立つナレッジのリンク集を作ったり。それでもなかなか定着しないケースもあります。
ですがClaudeと連携すれば、「難しい画面操作はAIにやらせて、人間は普段の言葉でチャットするだけ」
AIを使えばCRMはなくてもいい(Excelやメールの履歴をAIにサマリーさせればいい)、という声も一部にあります。ですがフォーマットも統一されていない、あちこちに散らかった情報をAIに整理させても回答の精度は高くなりません。
CRM(HubSpot)で正規化された情報の蓄積をAIが文脈として理解するからこと精度の高い回答を得られるのです。そしてCRM最大の弱点であった「入力の面倒くささ」もClaudeとのチャットで行えるようにすれば、ほとんど手間はなくなります(音声入力もできますからね)。
HubSpotとClaudeの組み合わせは、CRMの価値、効果をもっとも早く実感できる環境だと思いますよ。
中小企業(特に従業員20名以下)やひとり法人でもっとも貴重なリソースは人員です。営業やサポートが効率的に連携できてこそのCRM。ちょっとした使い方の工夫で社内のコミュニケーションと顧客対応を改善できます。
「うちはどう設定すればいい?」
「具体的にどういうユースケースが効果的なの?」
そんなお悩みがあれば、ぜひご相談ください。合同会社TMRが小規模事業者の業務フローに合わせた最適なHubSpot設計をご提案します。