先日小田原へワーケーションに行ってきました。小田原は一大観光地である箱根のお膝元。十分魅力的な街なのですが観光地というよりは郊外都市(地方都市?)という位置付けです。小田原には地域ビジネスを営む人も多く、地域ビジネスについて考えるよい機会になりました。
この日は元々は対面のお仕事予定があり都内で過ごす予定でしたがそれがリスケになったのです。他の仕事はオンラインでもできる内容だったので、だったら日帰りで行ける場所でリフレッシュしながら働いてみよう!というのがきっかけです。
TMRってどんな会社なの?代表はどんな人なの? → よかったらこちらも参照ください
僕の東京での拠点は多摩地区。普段は立川など多摩地区内のコワーキングスペースで働いています。でもこの日は「いつもと違うどこかへ行く」というのを目的にしました。さっそくいくつか場所を探します。
そんな中で目に留まったのが小田原です。多摩地区から小田急線でのんびり行って1時間ちょい、東京駅とさほど変わらない時間です。都心部へ出勤するのと同じくらいの時間を逆方向に行ってみる、というのが日帰りワーケーションなら便利ですよね。
小田原まで行くならいっそ箱根まで足を伸ばしては?とも思いました。でも箱根は有名スポットがそれぞれ離れていて移動だけでも時間がかかりそう。今回はオンライン会議もいくつかあったので小田原のほうが便利だろうと考えました。
まずは小田急線に乗って西へ。下り電車とはいえ平日の朝。相模大野までは結構乗客もいます。とはいえ席に座れないほどではありません。本厚木を過ぎるとマンションやオフィスビルも減り車窓は一気に田園風景にかわります。水田からにょきにょきと山がそびえ立ってくるのが印象的です。「ああ、ここで関東平野が終わるんだな」という実感を持てます。
東海大学前で学生たちも下車して車内もがらがらになった頃小田原に到着。実際に行ってみて小田原はすごく魅力的な場所でした。コンパクトな地域ですが海も山も街も楽しめます。なんといっても海が見えるのがいいですよね!普段八ヶ岳や多摩地区で過ごしているので青々とした海はほんと非日常感があって気分がアガります。
すぐ裏手には箱根の山がそびえています。街も高い建物がないので空が広くて気持ちいい。海と山と街をまとめて感じることができる。これは来てよかった!と思いましたね。
調べてみると小田原には特徴的なコワーキングスペースがたくさんあります。その中で今回はこの2つを選びました。
根府川駅周辺にはランチを取れる場所がないので午前中Workcation House Uで過ごし、ランチは小田原駅前に戻って地魚を。午後はARUYO Odawaraで仕事に集中して、夜は小田原の街で一杯やって帰る、という作戦です。
まずは根府川駅から長い階段を登ってWorkcation House Uへ。ここはWebサイトで事前予約をしないと開錠できない施設になっています。カフェも併設されているのですがこの日は営業していませんでした。ITエンジニアっぽい人が既にいてごりごり仕事をしていました。
室内もきれいなインテリアなのですが、せっかく天気もいいのでテラス席で働くことに。ここはモバイルバッテリーを無料貸出しているので電源のない場所でも自由に働けます。この日は暑くもなく寒くもなくサイコー。海と漁船を眺めながらデスクワークに打ち込みます。請求書作りとブログ記事のリライトという地味な作業でしたが海を見ながらだとウキウキしながら処理できますね。
午後はランチの後ARUYO Odawaraに向かいました。カフェが併設されていて常に人の気配を感じることができます。ここにオフィスを構えている地元企業もあるようで活気があるワーキングスペースでした。ざっと10人以上は働いていたかな?IT系やデザイン系の人が多そうな印象です。
コーヒーなどのフリードリンク、ビデオ会議用ブース、会議室も基本料金だけで使えるそう。これはなかなかお得な場所だと思いますよ。この日の午後はビデオ会議が3件と合間に資料作成。結構バタバタしていたので周りの人と話すこともなくひたすらお仕事です。仕事が片付いてからやっと周囲の人と話す機会が作れました。
八ヶ岳も多摩もそうなのですが、活気のあるコワーキングスペースには地域起業家が集まっています。いろんな地域の人たちと交流ができるのもワーケーションの魅力です。今回は地域でイベント活動などをやっている人とお話しができました。
仕事が終わって、夜は小田原でコミュニティ活動をしている人と居酒屋へ。小田原での地域事業について話を聞くことができました。そこで思ったのですが、地域でイベントや事業をやっている人って動きが早いんですよね。思い立ったらすぐに行動しちゃう。
これって地域だとイベントの規模も小さいのでコストやリスクを抑えられる、というのも大きな理由になりそうです。東京でなにかビジネスイベントをやろうとすると会場費などのコストもふくらみます。集客も多くする必要があるのでどうしても失敗することができませんよね。
でも地域での活動ならコストもほとんどかかりません。集客も数名集まればいいや、というスモールスタートから始めることもできます。いわゆるアジャイルなビジネスができるんです。
そして結果としてどんどん改善されて、いずれ集客も増えてくるものです。この学びも含めた経験サイクルが早いというのも地域事業の魅力なんだと思います。
小田原のおもしろいところは、コワーキングスペースに通うのが地域起業家だけではない点です。小田原は新幹線を使えば東京駅まで30分。全然通勤できちゃうんです。一部の企業では新幹線での通勤費も会社が負担してくれるそうです。時にはコワーキングスペースからリモートで。時には30分で東京へ。そんな大手企業勤務のサラリーマンもいるので人材多様性があるのも特徴です。
今回小田原ワーケーションを体験して、郊外都市ワーケーションのひとつのモデルケースになりそうな印象を受けました。低リスクでアジャイルな事業経験を積んだ地域起業家コミュニティ。東京へ通勤する人も地元で起業する人も混在する人材多様性。これにより大手企業での経験と地域事業の経験が混じりながら「なにか」を生み出していくパワー。
もちろん小田原には海も山もグルメもあって、来た人を満足させる観光資源があります。でも一流の観光地なわけでもない。そんな郊外都市でのワーケーションを考える際には小田原がひとつのモデルケースになりそうです。
TMRの地域関係人口創出についてはこちらも参照してください。