TMRは自社マーケティングのプラットホームとしてHubSpotを採用しています。そしてこの知見を活用し中小企業の営業・マーケティングのデジタル化を支援するコンサルティング業務を提供しています。今回は有限会社奥進システム様のマーケティング改善の事例を紹介します。
TMRってどんな会社なの?代表はどんな人なの? → よかったらこちらも参照ください
有限会社奥新システム(大阪市中央区)は主に関西エリアで企業向けシステム開発の受託やホームページ制作を受けています。Linux+php+MySQLでの受託を得意とし、中小企業のお困りごとを細かく解決できる優れた技術力を備えています。また従業員12名のうち10名が障がい者で、高度な開発能力と「誰もが働きやすい」を両立している素晴らしい企業です。
奥進システムは既存顧客とも良好な保守契約が続いており経営は安定しているものの新規顧客が伸び悩んでいました。営業担当者が1名しかいないため案件対応への工数が限られてしまうのです。
そこでTMRにマーケティング・営業の改善を依頼。伴走しながらの改善を行うことになりました。まずは課題を整理します。課題を短期的なものと長期的なものに分類し、段階的に対応することになりました。
まずはホームページを改修し、MA(マーケティング自動化)を導入することで問合せを増やすことを目指しました。
奥進システムはその先進的な働き方環境への取り組みが評価され、数多くの講演活動を行っています。また障がいのある人が症状や情報を記録する無料インターネット・サポートブック「うぇぶサポ」やWeb日報システム「SPIS」などを提供しています。
これまでこれらの活動はCSRとしてシステム開発事業から独立して運営されていました。つまりこれまでの奥進システムは「障がい者を積極的に採用するシステム開発会社」でした。
これを一段抽象化し「誰もが働きやすい環境を作る会社」と位置付けようとしています。奥進システムの企業文化、在宅勤務を中心とした就労制度、そしてその実現を担保するITシステムの提供。つまり奥進システムそのものを戦略的価値と再定義するものです。
奥進システムのホームページはphpによる自社開発。一般的なCMSではないのでメンテナンスや改修は自社で行っています。そこでTMRがGoogle AnalyticsやSearch Consoleを用いてSEO対策やSNS連携のアドバイスを行う形で改善を進めました。
並行してCRMツールであるHubSpotを導入。マーケティング自動化(MA)や営業自動化(SFA)の機能の活用も進めることにしました。これによりフォーム送信した見込み客への自動メール対応やメルマガ、案件進捗の見える化ができるようになります。
現時点ではフォーム活用が中心ですが今後マーケティングメール、CTAによるコンタクト収集、案件進捗管理などへ利用領域を拡大させていく方針です。
奥進システムの価値は先進的なシステム開発能力だけではありません。障がい者が中心で働いている、という企業文化や誰もが働きやすい社内制度などを備えています。これまで奥進システムは障がい者雇用推進をCSR活動と位置付けていました。
ですが、このCSR活動こそ奥進システムの戦略的価値と言えるでしょう。「誰もが働きやすい環境を作る」ーーこれまでのシステム開発から一段大きな戦略的価値の再定義を目指しています。
現時点は短期的課題に取り組む状態。ホームページのアクセスを増やすためのSEO対策とSNS連携を実践しました。
従来のホームページでアクセス上位コンテンツは主にphpに関する技術ブログ。他のページを回遊する導線もなかったため、「役立つ情報」を見るだけで問合せ創出に繋がらない状態でした。
そこでトップページから分岐する情報を整理、それぞれの見出し(H2, H3...)の構造化などのSEO対策によりホームページ訪問数は2倍に増えました。またアクセス上位コンテンツも会社情報やシステム開発事例など事業内容を紹介するページとなり問合せも劇的に増えています。
今はお問合せフォームへ営業提案をしかける「逆営業問合せ」も多いものです。奥進システムも同じ課題を抱えています。ホームページのアクセス数は増えたものの、それに比例して「逆営業問合せ」も増えており、対応に工数がかかっています。
今はHubSpotのフィルター機能で「逆営業問合せ」を無視する運用ですが、今後はCTAを活用し、本当に問合せを希望する人だけがフォーム送信するような仕組みの導入も検討しています。
ホームページの改善は行なったものの、本質的な課題は新規顧客の開拓。今後も継続的な改善が必要です。そこで主に2つの領域での伴走を検討しています。
ひとつはHubSpotの利用拡大です。今はフォームを中心としたコンテンツ領域での活用が中心です。HubSpotはCRMツールなのでMAやSFAなど多くの機能を持っています。
メルマガ、Webinar、ホワイトペーパーなどシステム開発会社であれば活用できるメディアも多いもの。これらを活用することでコンテンツに興味がある人だけから問合せを受け付ける仕組みの構築を進めます。
またSFA機能を利用した案件管理も導入することで各案件の状況見える化を進めていきます。複数の案件を並行すると、つい漏れ抜けも起きやすいものです。SFAを活用して「どこでスタックしているのか?」「必要なNext Stepは何か?」を見える化し、案件フォーキャストの精度を高めていきます。
奥進システムは従来のシステム開発会社から「誰もが働きやすい環境を作る」会社へとその事業領域を広げようとしています。自身の企業文化、社内制度をベストプラクティスとし、ITツールで実現を担保していきます。
これにはミッションやビジョン、バリューなどの定義も必要ですし、具体的な事業のサービス化も必要です。定義した戦略や事業を適切に外部へ伝える方法(ホームページやSNSなど)も必要です。
TMRは奥進システムの素晴らしい企業文化を、より広めていくためにこれからも戦略・マーケティング・営業それぞれの領域で伴走、支援していきます。
有限会社奥進システム様からコメントを頂戴しています。
中小企業(特に従業員20名以下)やひとり法人でもっとも貴重なリソースは人員です。そのなかでも製造や開発に関わらない営業・事務はできるだけ効率化したいものです。インバウンドマーケティングを活用することで営業とマーケティングを一体化させ、限られた人数でも効率的な営業活動が可能になります。
TMRは中小企業やひとり法人こそ営業生産性を高めるDXが必要と考えています。上記でお困りの方はTMRへご相談ください!