【30秒でわかる本記事のまとめ】
「動画コンテンツ、やってみたいんですよね。でも編集とか、全然わからなくて……」
こういう声、本当によく聞きます。YouTubeやSNSで動画が当たり前になって、「うちもやらなきゃ」とは思っている。でも撮影・編集・字幕・BGM……考えるだけで億劫になって、結局何もしないまま時間が過ぎていく。
僕もずっとそうでした。
でも、Google Vidsを使いはじめてから、その感覚が変わりました。今では動画制作が仕事のコンテンツ制作フローの一部に組み込まれています。
Google Vids(グーグル ビッズ)は、Google Workspaceに含まれるAI動画生成ツールです。2025年に日本語対応し、現在はGWSの有料プランで利用できます。
ひとことで言うと、「スライドとスクリプトを渡すと、AIがナレーション付きの動画を作ってくれるツール」です。
動画編集ソフトのような複雑な操作は不要です。タイムラインを触ったり、音声をカットしたりする作業はありません。スライドとテキスト(スクリプト)を準備して、AIナレーターを選んで、生成ボタンを押す。それだけです。
主な機能をまとめると:
Google Vidsは無料プランを含め、すべてのGoogle Workspaceで利用できます。ただしAI機能の利用回数などに制限があります。Business StarterプランやBusiness Standardプランなど有料プランのほうが、より多くAIを利用できます。ナレーションを何回も差し替えたりすることを考えると有料プランでの利用がおすすめです。
ここは正直に書いておきたいのですが、Vidsは「万能の動画制作ツール」ではありません。得意な領域とそうでない領域がはっきり分かれています。
Vidsはスライドがベースです。つまり、「話して説明する」形式のコンテンツと相性が抜群です。
具体的に向いている動画の種類を挙げると:
テキストとスライドで伝えられる内容であれば、Vidsで動画にできます。
一方で、以下のような動画はVidsには向いていません。
要するに、「映像の力で感情を動かす動画」はVidsでは作れません。Veo(動画生成AI)の機能で8秒までの動画生成もできますが、SNS投稿程度にしか利用できないでしょう。
これは欠点ではなく、ツールの性質の話です。Vidsは「伝える」動画を作るツールであって、「魅せる」動画を作るツールではない。この区別を理解した上で使うと、期待値のズレがなくなります。
❌ 向いていない使い方:会社のブランドイメージを高めるムービーをVidsで作ろうとする
✅ 向いている使い方:サービスの仕組みをわかりやすく説明する3分の解説動画をVidsで作る
実際に僕がどう使っているか、具体的な手順をそのまま紹介します。
まず、何を作りたいかをClaudeと整理します。僕は曖昧なところからClaudeと壁打ちしながら進めています。
「HubSpotを提案したいけど、そもそもその手前でB2Bマーケティングの理解を深めてもらうコンテンツを作りたいんだよね」くらいから始めて、だんだん深堀りしてスライド構成案に落とし込みます。
いきなりスライドを作らせてもいいのですが、どんなものを作りたいか、何回かやりとりを重ねたほうが文脈を共有できます。なので僕はまずテキストで構成案を出力させてからスライドを作るようにしています。
Geminiでも構成案は作れますがClaudeのほうが論理的な構成と文章品質という点で、一段上の仕上がりになると感じています。用途によって使い分けるのが現実的です。
構成案ができたらClaudeにスライドとスクリプトを作らせます。構成案ができているので指示も簡単です。スライド出力はトークン消費が多いので、先にテキストで構成案をしっかり作らせて、できるだけ一発でスライドを作らせるのがポイントです。ナレーション原稿となるスクリプトも同時に作らせてしまいましょう。
Claudeにスライドデザインを任せると、独特な無機質なものになりがちです。ソフトなトーンなどを希望する場合は先にスライド例(PPTXファイル)を添付し、「このトーン&マナーで作って」と指示するとよいでしょう。
PPTX形式で出力されますが、GoogleドライブをClaudeと連携させておけばダウンロードせずに、そのままGoogleドライブに保存できます。そこで開けば自動的にGoogle Slides形式で利用できます。
なお、Claudeはイラスト生成はできないので僕はGeminiで生成させて貼り付けています。またGoogle Slides組み込みのGeminiを利用するとスライドの見栄えを変えることもできるで、ここで適当に修正します。
あとはGoogle Slidesのメニューから「動画に変換」を選ぶだけ。自動的にVidsに切り替わります。BGMも追加できます。
スライド1枚が1つのシーンになります。スライドのスクリプトをそのままAIにナレーションとして挿入できます。日本語も対応。声色もいくつか選べます。セリフっぽいナレーションの場合は感情も表現してくれます。結構いい出来で、数年前に地上波テレビ局がAIアナウンサーを導入した頃と同じ程度の品質です。
声色を選べるので簡単なドラマ仕立ての動画も作ることができます。静止画による紙芝居風ですがビジネス動画ならこれもありなのではないでしょうか。実際に僕が作った動画リンクを貼り付けたので参考にしてください(オープニングアニメはCanvaで作成)。
注意点としては、ナレーション生成の際、AIがときおり勝手にアドリブを入れることです。正確に読むことに徹してくれればいいのですが、時折アドリブを入れるので注意が必要です(しかも読み間違いもするのでちょっとイラっとします)。
作った動画はMP4でダウンロードできるほか、直接YouTubeへ書き出すこともできます。
これまで動画コンテンツとは距離をおいていました。今は動画の時代——そう言われていても制作のハードルが高かったのです。ウェビナーのアーカイブ動画は公開していましたが、それなりに準備の工数がかかります。
10分程度の解説系動画を量産したかったのですが、そのために収録して、編集して...と考えると躊躇していました。
でも今はClaudeと壁打ちして、スライドとスクリプトを作ってしまえばVidsでそのまま動画にできます。AIナレーションを使えば自分が収録する必要もありません。
Vidsはスライドをベースに動画を作成します。つまりスライドを修正すれば動画も修正できるのです。これが地味に便利でした。
せっかく作った動画なのに、公開したあと誤字や修正箇所を見つけてしまうことは珍しくありません。でもVidsなら簡単に修正ができるので、作り直しも重荷になりません。ナレーションの間違いもスクリプトを修正して、再度ナレーションを挿入するだけです。
これがVidsの一番のメリットかも知れませんね。
これまでナレーションを含んだ動画を作るとなると素材映像の制作・ナレーター確保・編集など多くの費用が必要でした。ですがVidsを使えば簡単に動画制作が可能です。
VidsはGoogle Workspace(GWS)に含まれています。新たにツールを契約する必要がありません。「まず試してみる」ハードルが低いのは大きなメリットです。
無料プランでも利用できますが、VidsのメリットであるAI機能を使うためには有料プランでの利用をお勧めします。
撮影・照明・編集のスキルが不要なので、ひとり法人や少人数のチームでも現実的に運用できます。スライドを作れ、スクリプトを書ける人が一人いれば、動画制作が回ります。
ClaudeやGeminiにスライドやスクリプトを作らせることもできるので、「何を作りたいか」を言語化できれば、かなりの部分を自動化できます。
小規模事業者のコンテンツニーズの大半は、サービスの説明・研修・FAQ・提案です。これらはすべてVidsの得意領域です。エモーショナルな映像が必要な場面より、「わかりやすく伝える」場面のほうが圧倒的に多いことでしょう。
士業・コンサル・講座運営などの事業では、これまで作ってきた文書・スライドコンテンツから簡単に動画を制作することができます。
Vidsは、スライドで説明できる内容であれば、編集スキルなしで動画にできるツールです。ただし映像の演出や感情表現が必要な動画には向いていない。この範囲を理解した上で使うと、期待値のズレなく活用できます。
ClaudeでスクリプトをつくってVidsに貼り付ける——この流れを一度体験すると、コンテンツ制作に対する感覚が変わります。「動画は専門の人に頼むもの」ではなく、「スクリプトが書ければ自分たちで作れるもの」になります。
Google Vidsは、すでにGWSを使っているなら、今日から試せます。
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