WSUS(Windows Server Update Services)の廃止(現在は非推奨の扱い)以降、社内PCのセキュリティパッチ管理で悩んでいるIT管理者も多いのではないでしょうか?普通に考えればWindows11+M365+Intuneとなるわけですが、小規模企業にはコストも運用負荷も重たいですよね。そこでちょっと違う目線で社内PC管理を考えてみました。(実は僕自身もWindows、MacからChromebook Plusに移行しています)
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Microsoftは2024年9月、Windows Server Update Services(通称:WSUS / ダブリューサス)の開発終了を発表しました。 このニュースを聞いて「うちは関係ないかな?」と思われた方も多いかもしれませんが、Windows PCを数台〜数十台使っている企業にとっては、非常に大きな影響がある話です。
一言で言えば、WSUSは「社内専用のWindows Updateセンター」です。
通常、Windowsの更新(アップデート)は、PC1台1台がインターネット上のMicrosoftのサーバーに取りに行きます。しかし、社員全員が一斉にダウンロードを始めると、会社のインターネット回線がパンクしてしまい、業務ができなくなってしまいます。
そこで活躍していたのがWSUSです。
代表してダウンロード: WSUSサーバーが代表して更新データを1つだけダウンロードして保存(キャッシュ)します。
社内に配る: 社員のPCは、インターネットではなく、社内のWSUSサーバーから更新データを受け取ります。
管理する: 管理者は「この更新プログラムはまだ適用しない」といったコントロールができます。
つまりWSUSは、「回線の混雑を防ぎ」かつ「勝手なアップデートを防ぐ」ための守り神だったのです。これが廃止されるということは、これまでの守り方が通用しなくなることを意味します。
MicrosoftからはWSUS廃止後の方法として次の2つが提示されています。
個別更新(Windows Update任せ)に戻る
各PCが直接インターネットに取りに行く方法です。
課題: 朝の始業時などに回線が重くなり、Web会議が止まるなどの業務支障が出る恐れがあります。また、更新作業が個人任せになるので更新漏れのリスクも高まります。
クラウド管理(Microsoft Intune等)への移行
Microsoft推奨の「後継」となる方法です。クラウド経由で管理しますが、配信の最適化技術(Delivery Optimization)などを使うことで回線負荷を抑えます。
課題: 導入には専門知識が必要なほか、月額ライセンス費用(Microsoft 365 Business Premium等)が発生するため、中小企業にはコスト負担が大きくなります。
そこで第3の選択肢として挙がるのがChromebookです。そもそも「巨大な更新データのダウンロード」や「管理」が不要なOSに変えてしまうアプローチです。
コストや手間をかけて「Intune」へ移行し、これまでのWindows環境を維持するのか。それとも、これを機に管理が楽な「Chromebook」へ切り替えるのか。 中小企業の現実的な運用目線で比較してみましょう。
| 比較項目 | Windows (Intune管理) | Chromebook (ChromeOS) |
| 更新データのサイズ | 巨大 (数GBになることも) | 極小 (差分のみ更新) |
| 回線への負荷 | 工夫しないと重くなる | バックグラウンドで軽く終わる |
| ユーザー負荷 | 「更新して再起動」の待ち時間あり | 再起動は数秒。待機時間ほぼゼロ |
| 管理者負荷 | 適用ルールの設計・監視が必要 | 管理不要(常に最新版が強制される) |
| セキュリティ | ウイルス対策ソフト必須 | ウイルス対策ソフト原則不要 |
| コスト | 端末代 + Intuneライセンス料 | 安価な端末 + 最小限の管理費 |
さまざまな調査機関からChromebookの管理性の高さを裏付けるデータが発表されています。
これらのメリットから既にGIGAスクールなど教育市場ではChromebookがトップシェアとなっています。(出典:株式会社MM総研:2025年7月)
Chromebookが「管理不要」と言われる理由は、その独自の「シームレスアップデート(A/Bパーティション方式)」にあります。
Windowsの場合、今のシステムを書き換えるために長い時間と再起動が必要ですが、ChromebookはOSの部屋を2つ持っています。裏側(使っていない方の部屋)でこっそり更新を済ませ、再起動した瞬間に部屋を切り替えるだけです。
ユーザーが「更新中... 30%」という画面を見ることはありませんし、WSUSのようなサーバーで配信をコントロールする必要もありません。
また、OS独自の堅牢な仕組みと自動更新により、高額なセキュリティ製品(EPP・EDRなど)の導入コストを削減できる点も見逃せません。
ただしChromebookも万能ではありません。原則としてChromeブラウザを利用するため、クラウド(SaaS)アプリケーションで完結できる業務環境が前提です。そのため、Windows専用のソフト(.exe形式)をインストールして使う業務には不向きです。
Chromebookの利用が向かない企業の例を挙げました。移行を検討する場合は、まず社内で利用しているITツールを確認してください。
設計・デザイン業務(CAD / Adobe等の高度な編集)
AutoCADやJw_cadなどの設計ソフトは、Web版もありますが機能が制限されることが多く、実務ではWindowsの高スペックマシンが必要です。Adobe Premiere Proなどを用いる動画編集などのクリエイティブ業務も同様で、WindowsまたはMacの利用が一般的です。
専用の業務システム・レガシーソフト
「インストール型の弥生会計」や「奉行シリーズ(オンプレ版)」などの会計ソフトを利用している企業やMicrosoft Access で作り込んだ社内システムがある企業はChromebookへの移行は困難です。また一部の特定業種向けシステム(運送管理、電子カルテの一部など)は利用できないケースもあります。
特殊な周辺機器・認証デバイス
専用ドライバが必要な特殊プリンターやプロッターに接続する場合や、一部のネットバンキングで使う「USBトークン」や「ICカードリーダー」はChromebookに対応していない場合があります。
Chromebookが採用するChromeOSはWindowsより軽量なため性能が低い機種が多くなっています。低価格製品のなかにはメインメモリが4GBというものもあります。いくら軽量OSとはいえ低性能な機種の場合、複数のアプリケーションを同時に利用すると極度に遅くなるなど操作性が損なわれるケースもあります。
PCは毎日の仕事で使う道具です。劣悪な操作環境で仕事を強いられるのは辛いですよね。そこでChromebook Plusという機種を選ぶことを推奨します。メインメモリ8GB以上(16GB搭載機種も)、CPUも一定以上の性能のものが搭載されています。
紹介したようにChromebookには弱点もありますが、制約を正しく理解すればメリットが多い選択です。特に選任IT要員を確保できない小規模企業では現実的な選択と言えるでしょう。
Chromebookの特徴はクラウド(SaaS)を前提としていることです。今や小規模企業のほとんどの業務はクラウド(SaaS)ツールで完結できるでしょう。むしろ最新のクラウド(SaaS)ツールを導入することで業務プロセスの刷新が可能となりDXも進みます。
WSUS廃止というピンチを、PC管理コスト引き下げ、社内業務プロセスの刷新といったチャンスに変える一歩としてChromebookも検討してみてはいかがでしょうか。
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