HubSpotの「メモ」「タスク」「チケット」どう使い分ける?チームの混乱を防ぐ、鉄板の運用ルール
【30秒でわかる本記事のまとめ】
- メモ: 「過去」の記録。議事録や背景情報、顧客の感情を残す場所。
- タスク: 「未来」の行動。期限と担当者が決まっている「やること」。
- チケット: 「解決」までのプロセス。クレーム対応や納品後の作業など、進捗管理が必要なもの。
- 鉄則: メモに「来週電話する」と書いてはいけない(忘れるから)。それはタスクにする。
はじめに:「どこに書けばいいの?」問題
「お客様から電話でクレームがあった。内容はメモに残したけど、対応するのを忘れてしまった…」 「営業から引き継いだ案件、やるべきことがタスクに羅列されすぎていて、全体像が見えない…」
HubSpotは多機能がゆえに、情報を残す場所がいくつもあります。 特に「メモ」「タスク」「チケット」の3つは、役割を明確に定義しないと、チーム内で情報が散乱し、「言った言わない」のトラブル原因になります。
今回は、小規模チームが最も効率よく連携するための「使い分けの正解」を解説します。
概要1:「メモ」はチームの「記憶」になる場所
メモ機能は、「起きたこと(過去)」や「状況(コンテキスト)」を記録する場所です。 ここには「期限」や「ステータス」はありません。
✘やってはいけない「メモ」機能の使い方
「来週火曜日に見積書を送る」とメモだけに書いて終わる。
- 理由:リマインダーが飛ばないので、忙しいと確実に忘れます
✓「メモ」機能のベストプラクティス
- 商談の議事録:「予算は〇〇円、決裁者は部長の〇〇さん」といった事実
- 定性情報の記録:「最近、娘さんが生まれたらしい」「ゴルフにハマっている」といった、人間関係構築に役立つ雑談
- @メンション活用:「@田中さん この件、過去の経緯を知っていますか?」と特定のメンバーに通知を飛ばして相談する
結論:メモは、「未来の自分やチームメイトが、その顧客の状況を一瞬で理解するための引き継ぎ書」です。
概要2:「タスク」はチームの「To Do」管理
タスク機能は、「これからやること(未来)」を管理する場所です。 必ず「期限」と「担当者」がセットになります。
✘やってはいけない「タスク」機能の使い方
「クレーム対応の進捗」をタスクのコメント欄で延々とやり取りする。
- 理由:タスクは「完了」か「未完了」の2択しかありません。「調査中」「返答待ち」といったステータス管理ができないため、複雑な業務には向きません
✓「タスク」機能のベストプラクティス
- ネクストアクション:商談直後に「〇月〇日にお礼メールを送る」「〇月〇日に電話する」を作成する
- 定型業務のリマインド:「契約更新の3ヶ月前に連絡する」など
- 他者への依頼:「@鈴木さん 明日までにこの見積書を作ってください」と割り振る
結論:タスクは、「期日が来たら通知を出し、完了チェックを入れるだけのシンプルなTo Do」です。
概要3:「チケット」はチームの「解決プロセス」を管理する場所
チケットの使い方で悩む人も多いと思います。チケットは「問い合わせ」や「依頼」を解決まで導くための「管理カード」です。
「未着手⇒作業中⇒顧客確認待ち⇒解決」といったパイプライン(ステージ)で管理できるのが最大の特徴です。
✘やってはいけない「チケット」機能の使い方
「製品についての質問メール」を、個人のGmailやHubSpotの受信トレイだけで処理する。
- 理由:「誰がボールを持っているか」が分からなくなり、返信漏れが発生します
✓「チケット」機能のベストプラクティス
- 問い合わせ・クレーム対応:「製品が動かない」という連絡に対しチケットを発行し、解決までの進捗を追う
- 受注後の納品業務:営業(取引)からバトンタッチし、「初期設定」「オンボーディング」「納品完了」までのプロセスを管理する
結論:チケットは、「完了」まで複数のステップや日数がかかる業務を管理する場所です。
実践:3つを組み合わせた「完璧な連携」の例
では、実際にこれらをどう組み合わせるか、営業からサポートへの引き継ぎシーンで見てみましょう。
今回は既存顧客から「機能追加の相談」と「不具合の報告」を同時に受けた場合を例とします。
1.「メモ」で記録する
-
「お電話にて、新プランへのアップグレードに興味ありとのこと。ただし、現在はログインできない不具合が発生中で困っている様子。まずは不具合解消が優先。」と記録を残す
まずメモで事実を記録します。これをコンタクト(顧客)、会社、取引などと関連付けることで履歴として残すことができます。
2.「チケット」を切る(不具合対応)
- 「ログイン不具合対応」というチケットを作成し、サポート担当へ割り当てる。
- サポート担当は、チケットのステータスを「調査中」→「解決」へと進める。
チケットを切ることでサポートへ不具合対応をキックします。サポート部門の中で進捗を共有できるので対応の漏れ抜けを防ぐことができます。
3.「タスク」を作る(営業フォロー)
- 営業担当は、「不具合が解決したら、アップグレードの提案電話をする」というタスクを、期限を仮設定して作成しておく
タスクを設定することで忙しいなかでも忘れずにアップグレード提案を行うことができます。期限を少し先に設定しておくことが備忘につながります。
このように使い分けることで、
- 経緯(メモ)は誰でも読める状態で残り、
- 不具合(チケット)はサポートチームが責任を持って解消し、
- 再提案(タスク)は営業が忘れずに実行できる。
という、漏れのない体制が作れます。
結論:ツールに使われるな、ルールを決めろ
HubSpotは魔法の杖ではありません。入力する人間が「どこに何を書くか」を迷っていると、単なる「高機能なメモ帳」に陥ってしまうこともあります。
- 過去の情報は「メモ」
- 未来のアクションは「タスク」
- 解決までの道のりは「チケット」
今回はよくあるHubSpotのお悩みである「メモ」「タスク」「チケット」の使い分けを紹介しました。
この3つの原則をチームに浸透させるだけで、社内のコミュニケーションコストは激減し、顧客対応のスピードは劇的に向上しますので試してみてください。
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