コンテンツまでスキップ

「新しい働き方。暮らし方」でハッピーになろう!

豊前市で素敵な古民家図書館で起業している素敵な人と出会った

先日福岡県の豊前市に行ってきました。今回は各地域で実際に地域起業をしている移住者の話を聞くのが主な目的。素敵な古民家図書館を運営している人と出会えました。

豊前市は福岡県の東南部、大分県との県境にある地域です。一粒牡蠣で有名な漁港、修験道の聖地でもある求菩提山などがあり海と山を同時に体験できます。自動車関連企業も多いので、ほどよく都会と田舎が混じる暮らしやすい地域と言えるでしょう。

TMRってどんな会社なの?代表はどんな人なの? → よかったらこちらも参照ください

豊前市で「のんびり起業」を実践している人と交流

実は豊前市への訪問はこれで4回目。なので今回は観光名所巡りではなく人との交流を中心に行程を組みました。豊前市の地域おこし協力隊は地域でスモールビジネス起業を目指している人も多く、僕の提唱する「田舎でのんびり起業」が実践されている地域です。

その中でも今回は古民家図書館「tsuduri」を運営している方の話を聞きたくて、特別に時間を作ってもらいました。

古民家図書館「tsuduri」は友人宅のような雰囲気が魅力

IMG_20250219_140833080
古民家図書館「tsuduri」。友人宅のような落ち着いた雰囲気が魅力

「tsuduri」は古民家ならではの柔らかい雰囲気が魅力です。まるで地元の友人宅に遊びに行くように、気軽に訪問できるためリピーターも多いのだそう。

図書館ですのでたくさんの蔵書があります。特に地域の魅力や歴史を伝える本がたくさん。豊前市を中心とした旧豊前国エリアの魅力と触れ合うことができます(もちろん小説や漫画などエンターテイメント蔵書もあるので気に入った一冊をじっくり読み込むことができます)。

ホームページ制作、デザイン、起業などビジネスに役立つ本も並んでいます。聞けば運営している方はWebマーケティングやフォトライターの仕事もしているのだそう。

この施設も元々ご自身の仕事場としての利用していて、それを有料開放しながら運営しているそうです。

図書館としてだけでなくイベントスペースとしても利用されている

「tsuduri」は古民家図書館と名付けられていますが、コワーキングスペース、イベントスペースとしても利用されています。電源、WiFiが整っているのでリモートワークも快適にできます(元々ご自身の仕事場なので仕事環境は充実しています)。

古民家でのワーケーション体験は落ち着いた気持ちにさせます。そしてこの古民家の雰囲気はイベントスペースとしても活用されています。

僕が訪問した日は和紅茶(国産紅茶)の飲み比べワークショップが開催されていました。他にも絵本の読み聞かせやハンドクラフトなどのイベントが開催されているそうです。古民家の柔らかい雰囲気とマッチして主に地域主婦層の主催イベントで人気になっています。

施設と運営の持つ雰囲気が自然と客層を選ぶ

「tsuduri」には古民家特有の柔らかい雰囲気があります。運営している方もソフトな印象の素敵な方。そしておもしろいことに集まっている利用者も似た雰囲気の素敵な方ばかりでした。

IMG_20250219_144440088_HDR
古民家図書館「tsuduri」運営の方。施設同様に素敵な人でした

これは施設と運営の方が持つ雰囲気が自然と客層を選んでいるのでしょう。ペルソナ設定というと堅苦しく聞こえますが、このように施設(環境)+運営(人)の雰囲気を前面に出すことで自然とペルソナ設定もできてくるものです。

古民家でマッチョなビジネスは似合いませんからね。自然とのんびり起業を目指す方が集まるのでしょう。感性が近い人が集まるのでお互いに気を遣いすぎることもなく自然体で運営できています。

複業スタイルだから低価格で地域に貢献できる

前にも記したように「tsuduri」運営の方は複業スタイルです。Webマーケティングを活用した起業支援や、地域メディア・自治体などに記事を提供するフォトライターなど収益の柱を持っています。地域でスモールビジネス起業を目指す人への支援事業も行なっているそうです。

複数の収益源があるからこそ「tsuduri」を低価格で営業できるのでしょう(ちなみに2時間500円から、という価格設定です)。そしてこの価格だからこそ地域の主婦なども気軽に小さな挑戦として利用できるのです。

和紅茶や絵本の読み聞かせ、ハンドクラフトなどはいずれも高額化が難しいコンテンツです。ですが環境さえ整っていれば小さな挑戦を目指したい人は潜在的に多くいるものです。小さな挑戦が多発する地域は元気になります。「tsuduri」から元気な地域を創り出していく姿は本当に素敵でした。

これこそ「田舎でのんびり起業」の実践例

低価格は地域にとって価値がありますが、赤字続きでは事業を継続できません。そこで「tsuduri」は低リスクな運用を心がけています。基本的には自身の仕事環境を開放しているだけ。特別な投資も運用コストも発生しません。

僕が提唱している「田舎でのんびり起業」は複数の事業を低リスクで営むスタイル。ひとつひとつの事業収益は小さくても合計して暮らしているものです。

「tsuduri」運営の方はまさにこのスタイルです。自身の持つスキルを活かした複数事業を営む。そして自身の仕事場という手中の資源を活用して低リスクで古民家図書館を運営。

利用者が起業を目指せば少なからずや自身の事業クライアントになるケースもあるでしょう。地域情報や歴史を伝える蔵書が揃っていることで地域メディアからの執筆依頼が生まれるケースもあるでしょう。それぞれの事業が有機的に価値を生み出している事例と言えるでしょう。

豊前市は「田舎でのんびり起業」を数多く生み出す町だった

今回豊前市を訪問して感じたことは「田舎でのんびり起業」を目指す人が多いことです。地域おこし協力隊メンバーも古着屋や農業などそれぞれの起業を目指しています。他にも「お仕事パレット」という主に主婦層のスモールビジネス起業を応援する組織もあります。「tsuduri」のように少額イベントの受け皿があることも小さな挑戦の後押しをしてくれるでしょう。

豊前市も他の田舎と同様に人口減少や小子高齢化の課題を抱えています。ですが地域起業など挑戦を後押しする文化・環境があれば新しい人も集まってきます。豊前市の「tsuduri」がそんな小さな挑戦を生み出す場所になっていくのが楽しみです。

TMRの地域関係人口創出についてはこちらも参照してください。