「DXは社内でやるべき」の呪縛を解く。小規模事業者へ「SaaS × BPO」という選択肢
【30秒でわかる本記事のまとめ】
- 内製化の壁: 従業員20名以下で「DX人材」を採用・育成するのは、コスト的にもリスク的にもハードルが高い
- 悪いBPO: グチャグチャな業務(As Is)をそのまま丸投げすること。ブラックボックス化し、コストも高止まりする
- 良いBPO: SaaS(freeeなど)を入れて業務を「標準化」し、そのキレイなプロセスごと外注すること
- 結論: 「コア業務(売上を作る仕事)」は社内で。「ノンコア業務(事務)」はSaaS × BPOで手放すのが最強の布陣
TMRってどんな会社なの?代表はどんな人なの? → よかったらこちらも参照ください
はじめに:「DX人材」なんて、どこにもいない
「DXを進めるために、社内デジタル人材を育成しましょう」「エンジニアを採用して内製化しましょう」
ニュースやセミナーではよくこう言われます。正論です(TMRも小規模事業者に特化したDX人材育成事業を行っています)。ですが、これがすべての小規模事業者への答えではないとも理解しています。
採用難の今、ITに強い人材は高給で奪い合いです。ましてや現場業務を実践できて、ITにも詳しくて、業務改革も推進できる...。経営者が期待するのは、かなりのスーパー人材ですよね。時間とお金をかけて育成しても退職してしまうリスクもあります。そこでもう1つの選択肢も考えてみましょう。
それは、「SaaSによる標準化」と「BPO(外部委託)」の組み合わせです。
概要:「丸投げ」はNG。「標準化」して任せる
「BPO(アウトソーシング)」と聞くと、「領収書の山をダンボールで税理士に送る」ような、いわゆる「丸投げ」を想像されるかもしれません。しかし、私たちが提案するのは、「As Is(今のグチャグチャな状態)」を投げることではありません。
ITツールを使って業務を「正規化(標準的な形)」にし、その運用をプロに任せるアプローチです。この2つの違いを見てみましょう。
✘悪いBPO:現行プロセス(As Is)まま丸投げ
現状の「ぐちゃぐちゃなExcel」「手書きのメモ」「紙の請求書」を、整理せずにそのまま業者に渡してしまうパターンです。受託側も手作業で解読・入力せざるを得ないため、人件費がかさみ委託コストが高止まりします。
さらに、社内では「どう処理されているか」が完全にブラックボックス化し、数字の根拠も追えなくなってしまいます。これでは、単に「高いお金を払って問題を先送りした」だけです。
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やり方: 独自のExcel、手書きのメモ、バラバラの請求書をそのまま渡す
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結果: 受託側も手間がかかるため料金が高くなる。社内はどうなっているか分からず(ブラックボックス化)、データも活用できない。
✓良いBPO:SaaS ✕ BPOでプロセスを標準化
まず「freee」や「HubSpot」などのツールを導入し、業務フローをツールの仕様に合わせて「標準化(誰でもできる状態)」してから、その入力作業だけを外注するパターンです。
作業手順が明確なため、安価かつ高品質に運用できます。何より、処理されたデータは自社のクラウド環境(SaaS)にリアルタイムで蓄積されるため、経営者はいつでも自分のスマホで正しい数字を確認・活用できます。
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やり方: まず「freee」や「HubSpot」を導入し、業務フローをツールの仕様に合わせる(標準化)。その上で、「freeeの入力作業」や「HubSpotの登録作業」を外注する
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結果: 誰がやっても同じ品質になるため料金が安い。データは自社のクラウドに残るため、いつでも経営判断に使える
徹底比較:「自走DX」vs「SaaS ✕ BPO」
「頑張って社内でやる」のと「仕組み化して外に出す」。それぞれにメリットもデメリットもあります。よく比較して自社に合う方法を検討してください。
| 比較項目 | 自走DX (内製化) | SaaS × BPO (外部活用) |
| 主なメリット |
ノウハウが社内に蓄積される。 自社独自の工夫ができる。 |
即座にプロ品質で開始できる。 採用・育成コストがゼロ。 |
| 主なリスク |
属人化(担当者の退職リスク)。 育成に時間がかかる。 |
ノウハウが社内に残りにくい。 月額の委託費がかかる。 |
| 向いている業務 |
「売上を作る」コア業務 (商品開発、営業、顧客対応) |
「守りの」ノンコア業務 (経理、給与計算、入力作業) |
| DXのスピード | 徐々に(人材の成長次第) | 最速(契約した翌月から) |
提案:小規模事業者の勝ち筋は「ハイブリッド」
自走DXもBPOも、いずれか一方だけを選ぶ必要はありません。TMRがおすすめする、従業員20名以下の企業における「現実的なBPO活用」の正解は、以下のようなハイブリッド構成です。
バックオフィス(経理・労務)はBPOで手離れされる
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freeeなどのクラウド会計を導入し、記帳や給与計算はBPOを活用
社長の仕事は決断です。「承認ボタン」を押すだけにスリム化できます。財務や労務状況がSaaSツールで最新状況が「見える化」されるのでデータドリブンな経営も加速します。
フロントオフィス(営業・サポート)は自走が原則。運用はアウトソースも
- HubSpotなどのCRMを導入し、コアな顧客対応は自走する
顧客との関係づくりは会社の魂です。HubSpotなどのツールを使い、自分たちの手で使いこなす(内製化する)価値があります。
ただしすべての顧客対応を自社人員で行う必要があるのか?は振り返るべきでしょう。たとえばFAQで対応できることや、売上貢献が低い顧客層への一次窓口はCRMを導入したうえで対応をアウトソース化するのも選択肢です。貴重な営業・サポート人員をより売上が期待できる顧客層へ集中することができます。
また、CRMツールは機能も豊富なため習得に時間がかかるケースもあります。例えばマーケティング領域は企画から運用までアウトソースするのも選択肢です。
結論:ツール導入とアウトソースは「セット」で考える
「BPOを使うと、社内に力がつかないのでは?」と心配される方もいることでしょう。しかし、「ITツールを使って業務を整理する」という工程(プロセス正規化)そのものが、立派なDXの経験値になります。
「全部自分たちでやらなきゃ」と思う必要はありません。「面倒な作業」はITとプロに任せ、「価値ある仕事」にだけ社内のリソースを集中させる。 これこそが、少人数で大企業と渡り合うための賢い戦略です。
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まずはSaaSを入れて、業務を「標準化」する
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標準化された作業は、「外注化」で効率を高める
- 従業員の時間は、本業の「高付加価値化」に集中させる
これが、TMRが推奨する「従業員20名以下のためのBPO活用」の姿です。
案内:中小企業のDXならTMRへご相談ください!
中小企業(特に従業員20名以下)やひとり法人でもっとも貴重なリソースは人員です。SaaSでプロセスを標準化、BPOでそれを外注化、というのは小規模事業者の現実的な選択といえるでしょう。
合同会社TMRは全国のBPO企業ともネットワークがあります。低コストで効果的なDXを目指すならTMRへご相談ください!