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オープンイノベーションの前にそもそもイノベーションとは何かを考える

外部人材・組織と連携してイノベーションを進めるオープンイノベーション。これはリソースが限られる中小企業では特に有効なものです。今回はその前にそもそもイノベーションとは何か?を考えます。

TMRってどんな会社なの?代表はどんな人なの? → よかったらこちらも参照ください

そもそもイノベーションってなんだ?

イノベーション(変革)という言葉をよく耳にします。

イノベーションはインベンション(発明)とは異なる

最初に紹介したのはイノベーション(変革)とインベンション(発明)の違いです。イノベーションは既にある資源を組み合わせて新しい価値を生み出すもの。一方のインベンションは全くの新規技術の発明です。

インベンションとは例えば蒸気機関による産業革命です。馬や人力に頼っていた動力が蒸気機関によって全て置き換えられました。それ以前とは全く異なる世界を新しい技術で作るのがインベンションです。他にも電灯や原子力発電などもインベンションです。今ブームとなっている生成AIもインベンションと呼べるでしょう。

一方イノベーションの代表格といえばiPhoneなどのスマートホンです。

スマートホンで利用される技術を考えてみましょう。液晶タッチパネルもインターネットも以前から確立している技術です。PDAと呼ばれる携帯端末も何十年も前からありました。

技術的に見ればスマートホンは漸進的な進化はあるものの既存のものの組み合わせに過ぎません。ではなぜスマートホンがイノベーションと呼べるのでしょう?

  • サブスクリプション型の新しいビジネスモデルのプラットホームとなった
  • SNSなど新しい生活様式のプラットホームとなった

このようにスマートホンは既存の資源を組み合わせて新しい価値を生み出しています。

イノベーションはプロダクトとビジネスプロセスに分けられる

イノベーションというとスマートホンやEVのように技術革新による新製品を想像しがちです。ですがこれはイノベーションの一部でしかありません。このような新製品によるイノベーションはプロダクト・イノベーションと呼ばれます。

もう一つのイノベーションがビジネスプロセスの変革、ビジネスプロセス・イノベーションです。新製品・サービスを生み出せなくともプロセス変革によってもイノベーションを手に入れることができるのです。

実際、ビジネスプロセス・イノベーションの方が導入しやすいものです。2023年版中小企業白書によるとビジネスプロセス・イノベーションを実現している企業はプロダクト・イノベーションを実現している企業の2倍以上、23.4%にのぼります。またプロダクト・イノベーションが主に大企業で進んでいるのに対してビジネスプロセス・イノベーションは中小企業でも導入しやすいという特徴があります。

新製品・サービスを生み出すプロダクト・イノベーション

プロダクト・イノベーションはスマートホンやEVのような技術主導のもの以外にも様々なものがあります。

  • GAFAなどグローバルテックに多く見られる技術主導型
  • 日本企業に多く見られる市場ニーズ主導型
  • 素材・部品の変革による大きな進化

市場ニーズ主導のイノベーションを考えてみましょう。

例えばペットボトル入り緑茶がそれに当たります。ペットボトルもお茶も既存の製品です。従来お茶はその場で淹れるもの、温かいもの、という常識がありました。しかしペットボトルに入れることで冷たいお茶、どこでも飲めるお茶、無糖の健康的な飲料という新しい価値を創出したのです。今ではペットボトルのお茶は国内だけでも4500億円を超える市場に育っています。また健康志向の高まりを受け海外でも人気になりつつあります。

技術主導と市場ニーズ主導の混在した例としてGoProに代表されるアクションカメラがあります。

これはGoPro創業者が自身のスポーツしている姿を簡単に美しく撮影したい、という要望(ニーズ)から生まれた製品です。技術としてはジンバル機能などの手ブレ防止、広い画角を撮影し自動編集することでブレない動画を撮影するソフトウェア、スマートホンで実用化されている小型カメラ機能など、既存技術を組み合わせて生まれました。

ビジネスプロセス・イノベーションは「攻め」のプロセス変革

もう一つのイノベーションがビジネスプロセス・イノベーションです。これは生産・物流・販売などのビジネスプロセスを戦略的に変革するものです。プロセス全体の見直し、戦略的なアライメント、部門を超えたコラボレーションなどによって生まれます。

これは一見すると単なる改善活動と感じるかもしれません。しかしビジネスプロセス・イノベーションはコスト削減(守り)のためのプロセス改善ではなく、「攻め」のプロセス変革を指します。事業競争力の源泉となるような戦略的変革です。

例えばトヨタのリーン生産は単なるコスト削減を超えトヨタの競争力の源泉となっています。世の中には多くの自動車メーカーがありますがいまだにトヨタの水準に追いつく企業はありません。

他にもコンビニのリアルタイムPOS活用も同様です。単なる売上実績管理ではなく緻密な販売予測と生産・物流を一貫化し、ビジネスモデルのコアとなっています。

CRMによる顧客接点の自動化やアジャイル型のIT開発などもビジネスプロセス・イノベーションの例と言えるでしょう。いずれもコスト削減ではなく「攻め」のビジネスプロセス変革である、という点が重要です。

中小企業ではビジネスプロセス・イノベーションが取り組みやすい

プロダクト・イノベーションとビジネスプロセス・イノベーション。いずれも企業の戦略的変革を目的としています。

中小企業ではどちらかというとビジネスプロセス・イノベーションの方が導入しやすいと言われています。新製品・サービスの開発を求めるプロダクト・イノベーションでは大規模なR&D部門を持つ大企業が有利です。(これを補うために外部人材・組織と連携するオープンイノベーションという動きが進んでいます。詳しくはこちらの記事も参照してください)

一方で中小企業のビジネスプロセスは大企業ほど複雑ではないので抜本的な変革が可能だからです。特にCRMによる顧客接点の自動化などはマーケティング・営業・サポートを一貫して変革でき、業種を問わずに導入できるので高い効果が期待されます。

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